トップページ > お知らせ

お知らせ

[ブログ]8月にシンポジウム開催した医療通訳ボランティアたち

Mサポ登録団体「群馬の医療と言語・文化を考える会」がシンポジウムを主催
~ 医療通訳の普及と養成を目指して~

しばらく前になりますが、8月3日(日)に前橋プラザ元気21で「群馬の医療と言語・文化を考える会」主催のシンポジウム「外国の言葉を母語とする人の健康を考える~医療通訳の普及を~」が開かれ、医療、福祉や行政関係者など約90人が参加しました。

第1部講演会は、神奈川県勤労者医療生活協同組合港町診療所所長、シェア=国際保健協力市民の会副代表として、国内外での外国人の保健活動に活躍されている沢田貴志さんが「医療通訳は誰のため? 」、東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター特任講師として多文化コーディネーターやコミュニティー通訳などの育成に携わる一方、会議通訳としても活躍する内藤稔さんが「今後求められるコミュニティー通訳の役割と専門性」と題し講演なさいました。
興味深いお話や資料が多かったのですが、医師としての立場からもお話された沢田さんの資料から、一部を引用させていただきます。

     講演する沢田さん

「医療通訳は誰のためにあるのか?」
①直接的には、言葉が不自由な病人のため
②病気を少なくすることで地域の健康が守られる
③適切な診断につながり、医療が円滑で効率的になる
④地域で働く外国人、企業にとっても経済維持に不可欠
⑤教育や福祉の多言語対応で次世代の育成につながる

結果として
「多様性を尊重した、柔軟で活力ある社会」
「地域社会を豊かにする施策である」

国際都市・横浜市を拠点に国内外で活躍する沢田さんが、長年の活動から得た結論のようです。

  パネルディスカッションの様子

第2部のパネルディスカッションでは、行政、医療関係者、NPO、医療通訳ボランティアや外国語を母語とする方々がパネリストとして参加。外国人患者、医療関係者や通訳から、診察や治療時に感じる不便さや不安などについて報告がありました。また医療通訳は、医療知識や制度の理解、プライバシーの尊重など、求められるスキルが高いゆえに、養成の重要性や難しさがあることも紹介されました。パネリストの話から、困っている多くの外国人の存在と、医療通訳が必要であることをあらためて知りました。

  あいさつに立つ代表の原さん

シンポジウムの準備に、副代表の大谷和枝さんとともに大忙しだった同会代表の原美雪さん。無事終了したところで、原さんに会の設立やきっかけや活動内容、シンポジウム開催についてお話を聞いてみました。

鍼灸・マッサージ師で、インドネシア語と中国語にも堪能な原さん。医療通訳と関わるきっかけは、群馬県が募集した「群馬県メディカルインタープリター(医療通訳者)養成講座」への4年前の参加でした。「海外で病気になって困るのは誰でも同じです。語学を役立てられたらと」。この講座は、医療通訳ボランティアとして活躍してくれる人を対象に行うもの(平成25年度は今春3月開催)。県は、外国人が医療機関等で安心して医療・保健サービスを受けられるよう、病院からの依頼を受けて医療通訳を派遣する事業を行っています。

原さんと思いを同じくする仲間たちは、医学、医学用語、外国語、医療通訳の心得、医療事情等を自主的に学ぶ一方、「地域の中で医療通訳を根づかせたい」と活動を続ける中、「全国の外国人支援、医療通訳の活動状況や普及について紹介し、県内にも困っている人がいるということを知ってほしい」と今回のシンポジウムを企画。今後は「独自に医療通訳・翻訳サービスが提供できるような会になることも視野に入れ、医療通訳普及のための講座や勉強会、異文化理解のイベントの開催も考えたい」とのことです。

現在群馬県の在留外国人は4万人、前橋市では1,500人を超えるとか。2020年の東京オリンピック、また群馬県では富岡製糸場と絹産業遺産群の世界文化遺産登録というトピックもあり、国内外からの観光客はますます増加していくと予想されます。「もてなす」側のわが県の環境づくり、中でも医療面での充実は重要課題の一つと言えそうです。いつも元気な同会の皆さんの活躍の場が増え、より多くの医療通訳者の誕生と外国人の方が安心して暮らし、旅できるまちの実現が期待されます。(C.S)