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一般社団法人ハレルワ 「性の多様性×教科教育《成果報告会》」を取材しました

8/7(日)にMサポ会議室とオンラインで行われた、一般社団法人ハレルワ「性の多様性×教科教育《成果報告会》」を取材しました。

一般社団法人ハレルワは、セクシュアルマイノリティ(LGBTQ)の支援団体で、相談支援や交流会、居場所づくりとして「まちのほけんしつ」の運営を行っています。

このイベントは、2021年度ドコモ市民活動団体助成事業「学校にじいろアクションプロジェクト」の成果報告会となります。前半はゲストの京都精華大学のあかたちかこ講師(オンライン参加)よりLGBTQについての講義があり、参加者全体でLGBTQの基礎知識を共有しました。

「性の多様性×教科教育」は、学校教育の中で、多様な性のあり方について学ぶ機会を保証することが必要であり、その学ぶ機会も、特定の教科だけでなく、全ての教科、学校教育活動で継続的に設定される必要があると考え実施されました。
ハレルワ代表の間々田久渚さんと協働で研究を行っている足利短期大学の茂木克浩講師の調査によれば、県内の教員を対象に、学校現場で性の多様性を扱うことについての意識調査を行い、調査結果として、学校現場で性の多様性を扱うことの必要性は認識されているが、授業として実践されていないことがわかりました。この現状を受け、群馬県内の中学校で、性の多様性について考えることのできる美術科の授業題材を開発、実践を行いました。

「自分らしさ」をテーマとした授業題材の「私をカタチづくるもの」では、見た目や言動で表す性(性表現)に注目し、自分の写真にコラージュすることで自分らしさを表現する授業を行いました。「いろイロ色カバンで出かけよう」では、LGBTQフレンドリーであることを表明するために6色の虹をあしらったものを身につける文化があることを学んだ後、その6色を使って自分が持ち歩きたくなるようなトートバッグを作成するワークショップを行いました。
生徒からは、「いろいろな個性があるから、誰かの個性を否定したり、自分はみんなと違うからと言って自分らしさを隠さなくていいんだなと感じた」「まだ自分らしさは、はっきりと分からないけど少し見つけることができたと思う」との感想がありました。
カバン作りを行った中学校で美術を指導している亀井章央さんは、「継続的にやっていきたい。現在は部活で行っているが、将来的には授業のなかで行いたい」と話します。

ゲストの群馬大学の郡司明子教授は、「美術教育は、生きる術=身体技法であり、目の前の困難や生きづらさに対して、美術教育を通じて何ができるかを考えることであり、今回の実践研究では、美術で自分自身が答えを作っていくことはとても大事なこと」と総括しました。

「様々な学校にLGBTQの講師として話をするが、その日一日のことではなく継続的にマイノリティの情報について触れてほしい。学校は多様性がある場所だが、マイノリティについては忘れ去られがちであり、今後は美術教育以外のいろんな教科で増えていくと風通しが良くなると思う。」と代表の間々田さん。
これからの学校の授業において、多様な性のあり方を学ぶ機会が広がってほしいと感じました。