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Mサポ若者ライター取材記事 Vol. 1 『任意団体 アスワード』

『任意団体 アスワード』を取材してきました!

こんにちは、長期インターンシップ実習生の、中里百花です。

Mサポでは、Mサポ若者ライターのみなさんと連携し、利用登録者の皆さんへの取材と活動紹介を通して市民活動を応援しています。先日、ライターの髙橋 風花さん、多加谷 蓮さんと一緒に、『任意団体 アスワード』が主催する子ども食堂にお邪魔し、活動の様子を取材しました。

突然ですがみなさんは「アスワード」という言葉をご存じですか?
恥ずかしながら、私はこれから紹介する『任意団体 アスワード』と出会うまでは、この言葉を知りませんでした。「アスワード」には、「あなたのそばに」という意味があるそうで、『任意団体 アスワード』は、伊勢崎市を拠点に子どもたちや地域などに寄り添いたい、そんな想いで活動しています。

2023年4月から活動を始めたアスワードは、子育て支援や地域の居場所を作ることを目標に掲げる、大学生が立ち上げた、大学生が主体となって活動している団体です。
今回は、アスワードにとって初めての取り組みとなる、第一回「子ども食堂『ヒカリエ』」の現場にお邪魔させていただき、代表者やメンバーの方からお話を聞きましたので、その様子やそれぞれの思いについて報告します。
ぜひ、ご一読いただけると嬉しいです!


<協賛の野菜を手に、開催できた喜びを笑顔で示すアスワードのメンバーの方々>

アスワードの代表を務める大学3年生の山本 祥一さんは、昨年「NPO法人チャリティーサンタ群馬支部」の代表を務められ、そこでのボランティア経験から、「地元には子ども食堂がなく、子どもたちの第三の居場所となる存在が少ないのではないか。」と感じたと言います。そこで、子どもたちが「食」を通して繋がり、コミュニケーションをとることのできる「子ども食堂」を自分たちで作ろうと思い、この活動を始めたそうです。


<代表の山本さんへ取材をしている様子>

子ども食堂の会場には、アスワードのメンバーと、子ども食堂に参加した中学生、高校生、その保護者のみなさん、見学にいらした議員さんなど、世代や職業の垣根を越えて様々な方が集まっており、準備段階だけに留まらないネットワークの広さが感じられました。部屋にある机には、野菜やお菓子、ジュースや調味料など、つながりのあるフードバンクや地元企業、農家などの協力によって提供された食材が沢山並べられていました。


<参加者に食料を手渡す様子>

部屋の奥には、大学生と一緒に勉強ができるスペースや、工作ができるスペースなどもあり、子どもたちの需要、ペースに合わせて活動できる空間作りがされていました。


<来てくれた子どもたちとアスワードの学生が一緒に勉強している様子>

参加していた子どもたちは、最初は慣れない環境に緊張の面持ちでしたが、大学生の運営メンバーたちの温かい雰囲気、コミュニケーションによって、だんだんと打ち解けていく様子が伺えました。


<参加者に食料を手渡す様子>

アスワードのメンバーの方は、「子ども食堂をするのは初めてのことで、あくまでも”子どもたち”が主体となる活動なので、開催準備の中で色々と大変さはあった。また、誰かからの指示ではなく、自分たちが主体となって取り組む大変さもあった。初回は無事に開催できたものの、これをどう続けていくのかということも今後の課題。いずれにしても、子どもたちにとってはもちろん、私たち大学生にとっても、学校と自宅以外の”第三の居場所”となるところを目指していきたい。」と話していました。


<一緒に勉強する子どもたち>

子ども食堂を始めるにあたって、代表の山本さんが最も力をいれていたことは「人脈づくり」だと言います。新しい取り組みにチャレンジする際に、既に同じような取り組みをされている方から、情報を提供してもらうことや、アドバイスをもらうことなどは、とても有効です。山本さんの場合は、まずMサポを通して直接イベントに参加することで、50以上もの個人や団体と繋がり、自身の参考にするだけでなく、その場で自分たちの活動も知ってもらうことで、繋がりが派生していったということでした。

また、交換した名刺や話した内容などは、忘れないようにノートにまとめる習慣をつけているそうで、次に会う時に失礼にあたらないような、山本さんなりの工夫や努力をされていて、まさに人脈づくりのプロだなと感じました。

さらに、事前の準備はこれだけに留まらず、様々なイベントに積極的に参加したり、活動当日に近づくと、周辺地域の家庭一軒一軒をまわり、チラシを配るなどのPR活動も行ったそうです。

こうした努力の積み重ねによって、困った時に助け合える仲間や、支援してくださる個人(農家さん)、団体(企業)など、様々な方が周りにいる状況が作られていました。

その結果、この「子ども食堂」を開催するにあたって必要となる、施設代や食料代などの活動費は、協賛や地元区長さんなど様々な方の協力があって、無料あるいは低価格で提供していただけたのだそうです。
このような手厚いサポートがあるのも、努力の中で培われた「信頼、信用」の賜物で、ただ闇雲に人脈を広げようとするのではなく、相互の信頼関係に基づく人脈づくりが大切なのだなと感じました。


<代表の山本さんへ取材をしている様子>

山本さんは現状に満足せず、「今後の目標として今回は既製品の提供しかできなかったが、今後は自分たちでご飯を作って提供できる形にもしていきたい。また、もう一つ別の拠点を作り、複数の子ども食堂を展開していきたい。そして、いずれはNPO法人などに発展することができれば、より信頼が深まり大きく活動できるようになるだろう。」と話していました。

私自身、山本さんと直接の面識はこれまでなかったのですが、実は同じ大学のひとつ上の先輩で、大学の授業や課外活動に加え、就職活動などもあって忙しい日々を送られているにも関わらず、こんなにも積極的に市民活動に取り組んでいる方が身近にいるということに、とても刺激を受けました。

11月11日(土) には、第二回「子ども食堂『ヒカリエ』」も開催され、継続させたいという思いが強く伝わってきます。
取材の中で、活動をするにあたって金銭面には特に苦労しているという声が何度かありました。
一人の「支援したい」という思いが、団体にとって大きな支援になることと思います。

Mサポ若者ライターは、今後も「支援したい人」と「支援してもらいたい人」の架け橋となれるよう、取材を通してこういった活動を広めていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回以降の取材記事も掲載していく予定なので、楽しみにしていただけたらと思います!