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Mサポ若者ライター取材記事 Vol.5『一般社団法人 ハレルワ』

『一般社団法人 ハレルワ』を取材してきました!

こんにちは、Mサポ若者ライターの高島 優月、樋口 夢来、そしてインターンシップ実習生の中里 百花です。
12月19日(火)に、Mサポ利用登録者「一般社団法人 ハレルワ」の活動拠点である、コミュニティスペース『まちのほけんしつ』にうかがい、ハレルワ代表の間々田久渚さんに取材をさせていただきました!
その時の様子を記事にまとめましたので、ぜひお読みいただけると嬉しいです。

一般社団法人ハレルワとは

前橋市を拠点に県内全域でLGBTQに関する支援を行う団体です。当事者の居場所づくり・交流会の開催、講演・イベント等の啓発活動、行政・企業・他団体と連携した活動、LGBTQに関するLINE相談などを行っています。
(ハレルワ ホームページはこちら
(LGBTQ(性的少数者)については、群馬県ホームページをご覧ください)

『まちのほけんしつ』について

『まちのほけんしつ』は、2021年7月、前橋市千代田町のオリオン通り商店街アーケード内にオープンしたコミュニティスペースです。一般社団法人ハレルワと、不登校・ひきこもり支援団体のNPO法人ぐんま若者応援ネットが運営する「アリスの広場」で曜日ごとに担当して運営しています。ハレルワは、毎週火曜・金曜・日曜の14時から18時まで、「誰もが利用できるコミュニティスペース」としてまちのほけんしつを開設しています。年齢や性別を問わず様々な方が来ているそうです。
(まちのほけんしつ ホームページはこちら

「まちのほけんしつ」外観です。明るく温かな雰囲気です。

こたつやストーブもあり、ほっとできるスペースのように感じました。

ハレルワ応援グッズ。メンバーの手作りだそうです。ここで買うこともできます。

ハレルワ 代表 間々田さんのお話

「LGBTQ当事者にとって、親、先生、友達の理解が得られていないとしんどいです。自分が当事者だとカミングアウトするのはいろいろな不安があります。この人に打ち明けても大丈夫かな、ということをささいな会話でも考えています。」
「社会の中でLGBTQへの理解がまだ少なく、性別欄のある書類や、家を借りるときなどに『友達同士です』『いとこです』と言って借りたりするなど、つきたくもない嘘をつき続けなければいけないストレスもあります。」
「LGBTQの人は日本で左利きの人と同じくらいの割合、人口の約10パーセントいます。『同じ社会で過ごしている』ということを当事者ではない方に分かってほしいです。」
「『まちのほけんしつ』は、保健室みたいにほっとできる場がほしいという想いからできました。ここは嘘をつかなくていい場所です。」
と話してくださいました。

取材を通しての感想

高島:高校生の時の授業でLGBTQについて学び、いろんな性について理解していたつもりでしたが、今回の取材で分かった気になっていただけだと感じました。取材を通し間々田さんの話から本当にたくさんのことを学べました。
 まず、驚いたことはLGBTQの方の割合が左利きの人と同じくらいの割合だということです。会ったことはないと思っていたけど、カミングアウトできずにいるだけできっと今までの中で会っていたのだと思いました。また、間々田さんの話を聴き、私は些細な会話の中でも性を決めつけていることが多かったです。もしかしたら、性を決めつけた会話で無意識に傷つけていたかもしれないと感じました。
 次に、間々田さんは「つきたくない嘘が付きまとう」とおっしゃっていました。その言葉を聴いて悲しくなりました。同性のカップルだと何がだめなのか。LGBTQという考え方が理解されているものだと思っていたので衝撃でした。
 そして、カミングアウトにはとても勇気がいるということを学びました。「打ち明けるかどうかは日常の中にかけらとして散っている」と間々田さんはおっしゃっていました。私はカミングアウトをしてもらえる人になりたいです。そのためには無意識に性を決めつけないように心がける必要があると思いました。
 また、生活していく中で家族へのカミングアウトは嫌でもしないといけないのだと思いました。そして、一番理解して受け入れてもらいたい人だと思います。間々田さんとお母さんの関係性の話を聴いて、もし私がLGBTQだと言ったら私の母はどう反応するのだろうと思い、取材した日の夜に母に聞いてみました。すんなり受け入れられると言うのかと思ったけど、「自分の子供だと受け入れるには時間がかかるかも。」と言われました。友人や知り合いと自分の家族では受け入れるまでの時間はかかるのかもと感じました。
 世界でも日本はLGBTQの考え方は遅れていて生きづらい社会だということです。それでも間々田さんのように勇気を出して社会にカミングアウトして考え方を広めている人がいます。当事者にとってその存在は心強い存在だと思います。当事者の方にしか分からないことはたくさんありますが、私にもできることがあると思います。それは今回のように当事者の方から話を聴き、どんなことに苦しんでいてどう関われば素の自分を出せる相手になれるのか知ることだと思います。LGBTQに限らず、だれもが生きやすい社会になっていってほしいです。

樋口:ハレルワさんへの取材を通して、今の日本ではLGBTQの理解がまだまだ不足しているということ感じ、私たちが気付いていないだけで、ちょっとした言動で傷ついたり生きづらさを感じている人が多くいるということを間々田さんの話から気づくことができました。
 「まちのほけんしつ」の中はとても明るいのが印象的で、特に虹色のものがたくさん目に付きました。虹は、LGBTQを象徴するものとして、それぞれの色に意味があるということも知ることができました。
 社会的少数派とされるLGBTQの方々が自分らしく生きやすい社会になるといいな思いました。

LGBEQのシンボルカラーの虹色の旗やグッズがたくさんあります。

階段も虹色に塗られています。クラウドファンディングで資金を集め、メンバーが集まってリノベーションした手作りの居場所だと聞きました。

中里:「まちのほけんしつ」には初めて足を運びましたが、街中にこういったコミュニティスペースがあることを初めて知り、代表の間々田さんをはじめ、その場にいた方々も温かく、アットホームな雰囲気の空間だと感じました。
 私自身は LGBTQ の当事者ではないですが、女子校に通っていた三年間をきっかけにジェンダーに興味を持つようになり、大学では、ジェンダーを専門的に学ぶことのできるゼミを選択しました。
 LGBTQは、最近ではよくメディアで取り上げられたり、大学の講義の中でも頻繁に扱われる内容のため、言葉はもちろん知っていましたが、当事者の本音や苦労を直接聞く機会はなく、間々田さんのお話を聞いて、私自身分かっている「つもり」だったと、反省させられることが多くありました。
 例えば、「女の子らしい」や「男なのに」など、今まで何気なく使っていた言葉の中に、実は LGBTQの方々を傷つけてしまう発言を、無意識のうちにしていたと振り返りました。
 当事者ではない人からしたら、 LGBTQ はマイノリティで、他人事と捉えてしまう人も少なくありません。しかし、その割合は左利きの割合と同じくらいと言われていて、実際にはカミングアウトをしていないだけで、当事者の方々と同じ社会を生きている、ということを忘れてはいけないなと思いました。性別に関する単語を使うときには、一歩立ち止まって、当事者の方々を傷つけてしまう発言ではないか、言い換えることはできないか、ということを考えてから、言葉にする必要があるなと感じました。
 また、英語の代名詞のお話も印象的でした。私が中学生、高校生の頃は、英語で性別が特定できない時の表し方として、Heで統一するように習っていたのですが、三人称を表す代名詞であるHeとSheでは男女の単数しかない、ということで、今ではTheyも単数の使われ方をしているということを初めて知り、驚きました。
 取材を通して、改めて、誰もが生きやすい社会の実現には、多様な性のあり方を知ること、そしてそれぞれの違いを認め合うことが必要でだと感じたと同時に、私自身、まだまだ学ぶべき課題が沢山あると感じました。今回の取材で得たジェンダーに関する知識、現実を、今後の生活に役立てるとともに、更に学びを深めていきたいと思います。